2006年6月10日 東京私立男子中学校フェア2006in新宿 参加報告

 

以下は、新宿駅西口地下広場で開催された、「東京私立男子中学校フェア」で行われたミニ学校説明会のうち数校分の簡単な報告です。

 

1.京華中

 

・2006年度中学入試では受験者が倍増したが、特に合格者を絞ることはせずに、一学年の設置クラスを増やすことで対応。2007年度入試においても、同様の方針で臨む。

  出題は基本問題と応用問題が半々だが、基本問題を得点できる生徒さんをみっちり伸ばしたい。

 

・本校の入学者は、勉強面での自信を失った生徒さんが多いが、公立中学以上に一つの単元にじっくり時間をかけ、ゆとりのある授業を行うことで、勉強面での自信をつけさせたいと考えている。

 と、同時に、ペースの速い生徒さんにも対応できるよう、週末に演習中心のゼミの時間を設置しており、ここで扱う演習プリントについては、子どもたちのペースに応じてあらかじめ数種類を用意している。

 

2.聖学院中

 

 ・最近「Only One」教育を掲げている学校が増えてきているが、誤解のないように本校の教育理念を述べるなら「Only One for Others」、つまり他者のために己の個性を生かそうとする人格の形成が本校の教育理念である。

 

 ・2000年以降、中学入学時点で何らかの形で英語の素養のある(帰国子女、英会話教室通塾など)生徒が増加していることに気付き、2002年度より本格的に英語教育に注力している。具体的には、中1で「経験者クラス」設置、中2以降での習熟度別5段階の「アドバンスクラス」を設置している。「アドバンスクラス」の上位2クラスでは英語のみによる授業を行っている。

 ⇒結果として、英検の早期取得者が増加している。大手予備校からは、この点が大学の進学実績増加につながるのではないか、と期待されているのでそうなるよう頑張りたい。

 

・本校の入学者は、入学時偏差値にして20近い学力の幅があるが、英検の取得などで英語の自信をつけていくうちに、他教科に対する意欲へとつながっていく生徒さんをよく見る。

 

 3.成城中

 

 ・本校の創立者は「授業科目の中に体育は必要である」と唱え、文武共に重んずる姿勢を打ち出した。陸軍士官学校入学のための予備校が本校の創設時の姿である。

 沢柳政太郎が創設した成城学園は、本校から分化した学校で今は別法人となっている。

 

・「成城」の意味は「国(=城)を成す」。すなわち、国家を興隆させる智徳の優れた人物を育てることが本校の教育理念である。本校の校風は自由な点にある。

 

 ・近隣に早稲田大学があるせいか、本校の生徒は早大志望者が多いという点に特徴がある。

 

4.芝浦工大附属中

 

 ・併設大学の授業について、高校在学時に事前履修することが可能となっている。試験にパスすれば、大学入学時点で取得単位として認定される仕組み。

 

 ・他大学への進学率も徐々に増加してきており、現在卒業生の30%以上が他大学へ現役合格している。

 

 ・校舎のつくりを工夫しており、中1、中2では学年ごとに職員室を設けてあるが、中3以上の学年では、各教科ごとの研究室を設けている。授業教科の質問のある生徒は研究室を訪ねれば、必ず質問に対する解答がもらえる仕組みとなっている

 

5.感想

 

 持ち時間20分の限られた時間の中で、いかに自校のことをアピールするか。という点で、いろいろな工夫の見られた説明会でした。特記すべきは、成城で説明会を担当されていた社会科の先生。内容自体はパンフレットの読みあわせという平凡なものですが、説明会には珍しく会場の爆笑を数多く誘ってらして、学校そのものもこんなに楽しいのかしら、、という気持ちを聞き手に抱かせる、絶妙のプレゼンテーションでした。