2006年月1日 和洋九段女子中学 塾対象説明会報告                  青夢舎

 

1. 開会に先立ち校舎見学

 

音楽室・美術室が各2教室。中学ではバイオリンの授業があるが、生徒分は完備とのこと。図書館は蔵書数5万冊。NLDの十進分類にしたがって配架されており、一般図書館での利用の際にも、子どもたちが苦労しないように配慮。新書が別置されていたのが、個人的には高評価です。現在各フロアーのオープン・スペースに調べ学習用のPCを順次設置中(現在設置は5台ほど)。

授業風景は、中学1年生と上級生とのあいだで若干授業態度に差が見られるのは、やはりどこの私学でも見られる光景。ただし基本的に生徒さんたちはみなまじめに授業を聞いていました。

 

2.校長先生より

 

『論語』のなかにある「仁」、「先を見て齊える(ととのえる)」精神の涵養が本校の校訓となっています。校名となっている「和洋」とは「和やかにして洋やか」な精神ということで、本校の卒業生たちには、この「和」の精神、つまり本稿で出会った一生モノの「友情」を大切にする心が根付いているのではないか、ということは卒業生の言葉などを見ても実感しています。

確かに大学入試に向けた努力も大切ですが、それ以前に人間としての基本を忘れた教育はしたくないと考えています。

 

3.本校の特色

 

現在、進学指導の強化を最重要課題と位置づけ、様々なカリキュラム改革や、生徒による授業アンケートの実施を行っています。具体的には中1、中2での反復学習、中3〜高1での習熟度別授業、高2以降のコース制選択授業などです。早朝には朝学習を、放課後の補習や長期休暇中の講習会も各学年で実施しております。また、四科受験生の増加に対応して、現在中高一貫カリキュラムの見直し作業を進めています。

 

その他、夏期休暇中のホームステイ、海外姉妹校との相互訪問などの国際化教育、ネットマナーの習熟をはじめとする情報教育、総合学習の時間でグループ研究、個人研究を行う自主活動などにも取り組んでいます。自主活動については中1〜2年をグループ研究、中3以降を個人研究の形で行っており、最終的には高校3年次の卒業論文発表へと結びついていきます。

 

4.入学試験について

 

出題傾向は例年からの変更はしない。以下、各科目の注意点。

 

国語・・・小説・随筆などの文学的文章の出題が多い。指示語の把握、心情把握などを問う。試験開始と同時に「聞き取り」のテストを行う。

 

算数・・・計算問題、特殊算の一行問題と大問を数題。各小問の1問目はやさしめに設定しているので、是非得点して欲しい。

 

社会・・・近現代史(特に近隣の国々との外交史)中心に歴史20点、地理、公民各15点。平和問題は必ず出す。時事問題は、9月以降に起きた明るい大きな話題から取り上げたい。

 

理科・・・物理(てこ、電流など)、化学(水溶液、気体の性質など)、生物(植物など)、地学(天体など)を偏りなく出題。

 

5.感想

 

 「厚みのあるカリキュラム」の「厚さ」が伝わらない。。思わず説明会でのアンケートに書いたコトバです。あちこちの私学が、カリキュラム改革に取り組み、また論文作成などの調べ学習に取り組んでいる中で、レジュメに書かれた内容を読み上げるだけの説明会に終始した先生がいらっしゃったのが残念でした。

例えば、手元にある冊子を開けば、この学校の「自主研究」がいかに意図的に練られたものであるかは伝わってくるのに、それを口頭情報でさらに補足することで、より具体的な生徒さんたちの姿として伝えるということがなされない。。これは非常にもったいなく感じました。