2006年 古代〜近世史総合問題

 

1.以下は日本史に登場する代表的な天皇たちによる会話です。それぞれ、どの天皇なのかを考えながら、以下の問に答えなさい。

 

A.「私は、天皇家を中心とした国づくりをもう一度取り戻したいと思って、(1)鎌倉幕府を滅ぼしました」

B.「その幕府ですね、私が( 1 )を( 2 )に任命してしまったことから始まってしまったんですよ」

C.「でも、もともとBさんは、最初はうまく武士たちを利用して政治を行おうとしたんじゃないかな?お兄さんの(2)崇徳上皇との争いに勝てたのも、彼らのおかげでしょう」

D.「( 2 )の位は、私が( 3 )を蝦夷討伐のために任命した役職なのに、いつのまにか武士たちのエリート職になってしまったんだね?」

A.「私もDさんのように、もう一度天皇家の力を立て直したいと思ったんですが。( 4 )との仲がうまくいかず、(3)その夢は果たせませんでした

C.「もともと(4)厩戸皇子が打ち出した国づくりの理想だったんだ。兄の( 5 )が蘇我氏を打ち破ってから、本格化した国づくりだけどね。(5)私がそのあとを継ぐのは大変だったよ」

B.「天皇家中心というだけでなく、(6)仏教も大切にしなさいと厩戸皇子は言われたんですよね。でもあまり大事にしすぎて、お坊さんたちに政治に口出しされるのも困りますよね。(7)私の祖父も『加茂川の洪水とサイコロの目と( 6 )だけは、自分の思い通りにならない』と嘆いていたとか」

D.「私も、できるだけ仏教から離れたくて都をうつしたのだが。政治に宗教が関わるようになると、なかなかうまく解決できないね。(8)織田信長のように思い切ったことをすると、後から大変批判されるしね。」

C.「なるほど、だから今の世の中では( 7 )という原則が(9)国の基本的なルールに定められているんだね。」

 

問1 空欄( 1 )〜( 7 )に適切な語句を入れなさい。ただし空欄( 7 )は漢字四字で答えなさい。

 

問2 下線(1)に関し

 @この幕府の将軍を助けて政治を行う役職を何と呼びますか

 Aこの幕府が置かれた時代の出来事を、年代順に正しく並べたものを、以下のア〜エから選びなさい。

 ア.承久の乱 → 永仁の徳政令 → 文永の役 → 六波羅探題の設置

 イ.文永の役 → 弘安の役 → 六波羅探題の設置 → 永仁の徳政令

 ウ.承久の乱 → 六波羅探題の設置 →文永の役 → 永仁の徳政令

 エ.承久の乱 → 六波羅探題の設置 →弘安の役 → 文永の役

 

問3 下線(2)に関し

 @この争いを何と呼びますか

 Aこの争いの3年後に起きた戦乱に勝利し、1167年に太政大臣となった人物は誰ですか

 B前問の人物が現在の兵庫県に整備した港を何と呼びますか

 

問4 下線(3)に関し、

@Aの天皇が行った政治を何と呼びますか

 AAの天皇は空欄( 4 )の人物と対立した後、どこに朝廷を開きましたか

 

問5 下線(4)に関し

 @この人物は誰のことですか

 Aこの人物の行ったこととして、適切なものを以下のア〜エから選びなさい。

  ア.公地公民の実施 イ.遣唐使の派遣 ウ.東大寺の建立 エ.冠位十二階

 

問6 下線(5)に関し

 @このときに起きた戦乱の名称を答えなさい。

 ACの天皇の妻で、Cの天皇の死後、藤原京に都をうつした天皇は誰ですか。

 

問7 下線(6)に関し、このことが書かれている書物または法令の名称を答えなさい。

 

問8 下線(7)に関し

 @この人物の名前を答えなさい。

 Aこの人物が1086年に開始した政治は何と呼ばれますか。

 

問9 下線(8)に関し具体的にはどのようなことか。以下のア〜エから選びなさい。

ア.延暦寺の焼き討ち イ.南蛮貿易の推進 ウ.楽市楽座 エ.キリスト教の保護

 

10 下線(9)に関し

 @このルールとは具体的に何のことか

 Aこのルールが公布されたのはいつのことか

 Bこのルールについて、適切に述べた分を以下のア〜エから選びなさい。

 ア.このルールは第一次世界大戦後のドイツをモデルに定められた。

 イ.このルールを変えるには、国民投票で3分の2以上の賛成が必要である。

 ウ.天皇は日本の象徴として、国会の助言と承認に基づき形式的行事を行うと定められている。

 エ.国民がしなければならないこととして、勤労、納税、子どもの教育が定められている。

 

11 この会話に登場する(A)〜(D)の天皇ではない人物を、以下のア〜エから選びなさい。

 ア.天武天皇 イ.桓武天皇 ウ.後鳥羽上皇 エ.後醍醐天皇

 

 

2.以下は日曜日にお友達が遊びに来た花子さんの家で交わされた会話です。これを読んで後の問に答えなさい。

 

花子「大変、大変!いまテレビで言ってたけれど、私たちが商品を買うときに支払う( 1 )が引き上げられるかもって」

太郎「どうして?」

花子「( 2 )化が進んで、(1)社会保障にかかるお金が足りなくなるからって」

父「うーん。。いつの時代でも税金が重くなるのは大変だなぁ。」

花子「小学校の歴史で習ったけど、奈良時代はもっと大変だったんでしょう?」

太郎「(2)『ぼろ布をまとい……かまどには火の気もなく』、この歌を歌った( 3 )でなくても悲しくなるよ」

次郎「だから国から貸し付けられる( 4 )から逃げ出す農民が増えたんだ。」

花子「でも平安時代になると( 5 )国(今の愛知県)のように、国司を訴える農民も出てくるよね」

太郎「室町時代なんて(3)三大一揆と言われるくらい、人々が力をつけてきたんだよ」

次郎「どうして??」

父「その前の時代から、米と( 6 )の(4)二毛作が始まったり、(5)草木灰の使用や牛馬耕の開始といった農業技術の進歩があったからね。人々が豊かになってきたんだよ」

太郎「それに(6)中国からお金が輸入されて、商業も発達したよね」

花子「あれ、でも江戸時代も『農民とゴマの油はしぼるほどよくとれる』なんて言われてたんでしょう?」

太郎「ほら、豊臣秀吉が天下統一したときに( 7 )を行ったじゃん。一揆を起こしづらくなったんだよ」

父「そうそう。花ちゃんの話で有名なのは(7)1649年に出されたといわれる( 8 )だけど、後に8代将軍徳川吉宗が行った( 9 )の改革でも、農民の年貢の負担は重くなったといわれてるんだ」

太郎「え、どういうこと?」

父「四公六民といわれていた年貢の負担率が五公五民に引き上げられてね」

花子「ひどーい」

父「江戸幕府の財政は( 10 )が基本だから、何とか年貢を増やそうと新田開発も進めたわけだよ」

太郎「そういえば、吉宗のあとに政治を行った( 11 )も(8)印旛沼や手賀沼を( 12 )しようとしたよね。でも彼は農業だけでなく、(9)商業もさかんにするために( 13 )を奨励したっけ」

父「でも、やっぱり幕府にとっては農業をさかんにすることが大切だから、彼は吉宗の孫の( 14 )にかなり批判されていたようだね。( 15 )が行った天保の改革でも農村からの出稼ぎを禁じた( 16 )が出された。当時はすでに、もののやり取りをお金で行うことが普通になってたんだけどね。」

次郎「だから、明治時代になってからは(10)お金で税金を納めるようになったのかぁ」

花子「年貢のときと違って( A )から、政府も安心して国づくりを進められるってわけね」

 父「せっかく納めた税金だから、政府にはきちんと使ってもらいたいよね。」

 

問1 空欄( 1 )〜( 16 )に適切な語句を入れなさい。

 

問2 下線(1)に関し

 @この制度は日本国憲法の第何条に基づく制度ですか。

 Aこの制度のうち、「社会保険」に分類されるものとして、不適切なものを以下のア〜エから選びなさい。

 ア.生命保険 イ.年金保険 ウ.失業保険 エ.健康保険

Bこの制度に関係の深い省庁として、適切なものを以下のア〜エから選びなさい。

  ア.財務省 イ.総務省 ウ.文部科学省 エ.厚生労働省

 

問3 下線(2)に関し

@この歌は何という歌集に収められていますか。

 Aこの歌が歌われた頃に成立した書物として、適切なものを以下のア〜エから選びなさい。

  ア.風土記 イ.土佐日記 ウ.平家物語 エ.太平記

 

問4 下線(3)に関し、年代順に正しく並べたものを以下のア〜エから選びなさい。

 ア.正長の土一揆 → 加賀の一向一揆 → 山城の国一揆

イ.山城の国一揆 → 正長の土一揆 → 加賀の一向一揆 

ウ.正長の土一揆 → 山城国一揆 → 加賀の一向一揆

エ.加賀の一向一揆 → 正長の土一揆 → 山城国一揆

 

問5 下線(4)に関し、八代平野で米の裏作として作られている作物は何ですか。

 

問6 下線(5)に関し

 @江戸時代、草木灰にかわって肥料として用いられるようになったものは何ですか。

 A江戸時代に使われ始め、より深く畑を耕せるようになった農具は何ですか。

 B現在、水田を耕すために用いられている機械は何ですか。

 

問7 下線(6)に関し

 @どのようなお金が輸入されたのか。2つ答えなさい。

 A室町時代にあらわれた高利貸しを何と呼びますか。

 

問8 下線(7)に関し

 @空欄( 8 )の法令を定めた江戸幕府3代将軍は誰ですか。

 A前問の人物が、大名を統制するために武家諸法度に追加した制度は何ですか。

 

問9 下線(8)に関し

@印旛沼や手賀沼がある都道府県はどこですか。

 A空欄( 12 )の行われた場所として、不適切なものを以下のア〜エから選びなさい。

ア.藤前干潟 イ.有明海 ウ.児島湾 エ.八郎潟

 

10 下線(9)に関し、空欄( 13 )と同様の組織は室町時代に何と呼ばれましたか。

 

11 下線(10)に関し

 @この改革を何と呼びますか

 Aこの改革と同じ年に定められた重要な法令は何ですか。

 

12 空欄( A )に適切な理由を入れなさい。

 

(解答欄)

 

1.

 

問1

(1)        (2)        (3)        (4)        (5)

 

(6)        (7)

 

問2@        A        問3@        A        B

 

問4@        A        問5@        A     

 

問6@        A        問7        問8@        A        

 

問9     問10@        A        B        問11

 

 

2.

 

問1

(1)        (2)        (3)        (4)        (5)

 

(6)        (7)        (8)        (9)        (10) 

 

11)        (12)        (13)        (14)        (15

 

16

 

問2@        A     B     問3@        A     問4

 

問5        問6@        A        B

 

問7@        /        A        問8@        A

 

問9@        A     問10        問11@        A

 

12

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(解答)

1.問1

(1)源頼朝 (2)征夷大将軍 (3)坂上田村麻呂 (4)足利尊氏 (5)天智天皇(中大兄皇子)

(6)僧兵 (7)政教分離

 

問2@執権 Aウ 問3@保元の乱 A平清盛 B大輪田泊 問4@建武の新政 A吉野 

 

問5@聖徳太子 Aエ 問6@壬申の乱 A持統天皇 問7 憲法十七条 問8@白河上皇 A院政

 

問9 ア 問10@日本国憲法 A1946年11月3日 Bエ 問11 ウ

 

2.問1

(1)消費税 (2)少子高齢 (3)山上憶良 (4)口分田 (5)尾張 (6)麦 (7)太閤検地

(8)慶安のお触書 (9)享保 (10)米 (11)田沼意次 (12)干拓 (13)株仲間 (14)松平定信 

15)水野忠邦 16人返し令

 

問2@第25条 Aア Bエ 問3@万葉集 Aア 問4 ウ 問5 い草 

 

問6@干鰯 A備中ぐわ Bトラクター 問7@宋銭 /明銭(完答) A土倉(酒屋) 

 

問8@徳川家光 A参勤交代 問9@千葉県 Aア 問10 座 問11@地租改正 A徴兵令 

 

12(例)税収が安定する(毎年決まった税金が納められる)

 

(配点 計100点)

1.(小計40点)

問1、問2A、問5、問7、問9、問10B、問11 各2点×14 その他 各1点×12

2.(小計60点)

問1、問2、問3A、問4、問9A 各2点×22 問12 3点 その他 各1点×13

 

(解説)

1.

問2A それぞれ、承久の乱(1221)、文永の役(1274)、弘安の役(1281)、永仁の徳政令。

    六波羅探題は承久の乱の平定後に京都に設置

問3A 平清盛は保元の乱(1156)の3年後に、平治の乱(1159)で源義朝を破り、後白河天皇の信任を

得ると、1167年に武士として初の太政大臣に就任した。

問5  聖徳太子は厩戸皇子と呼ばれていた。したがって、Aの答えはエ

    Aのアは天智天皇、イは聖徳太子の死後630年、ウは聖武天皇

問7  十七条憲法には「三法をあつく敬え」と書かれている。三法とはみ仏と僧とみ仏の教えのこと。

10B ア.モデルはアメリカ イ.過半数の賛成 ウ.国事行為という形式的行事には内閣の助言と承認が必要

11  Aは後醍醐天皇、Bは後白河上皇、Cは天武天皇、Dは桓武天皇

 

2.

問1A 生命保険は民間企業が行う営利活動

問3A イは紀貫之の作品で平安時代、ウは鎌倉時代の軍記物、エは南北朝の争いを描いた室町時代の軍記物

問4  正長の土一揆(1428)、山城の国一揆(1485)、加賀の一向一揆(1488)

問9A イ〜エが日本三大干拓地。藤前干潟はラムサール条約に登録されている。