2006年5月1日 実践女子学園中学 塾対象学校説明会報告

青夢舎

1.校長先生より

 

・本校の建学理念は「堅実にして質素、品格のある」な女性の育成にある。伝統ある大規模校として「明るく、元気な」そして「風通しのよい」学校づくりを常に目指している。

 

・新校舎建設にともない、子どもたちが「大規模でも居場所を見つけやすい」環境をということで、校舎内の

あちこちに、様々なスタイルの対話スペースを設けている。この点で、生徒の学校への満足度が大変高まってきている(アンケート調査でもその結果が裏付けられる)

 

⇒結果として、昨年1年間の皆勤生(無遅刻、無欠席、無欠課)は4割を超えている

 休み時間も、校庭を元気に駆け回っている生徒が多く、「明るく活発な」学校生活を送っている。

 

・新校舎には、調べ学習やキャリア教育学習用に新たに47台のPCを導入。生徒の一人ひとりにIDとパスワードを発行し、情報技術教育の推進にも力を入れている。社会で活躍しているOGたちで構成される「キャリアネットワーク」を通じた生徒向け講演会や、キャリアカウンセラーの常駐などにより、将来を見据えたキャリア教育という点で、本校は密度の濃い内容を提供していると自負している。

 

⇒この点は、「実学を以って世に起つ」女性の育成という本校の建学理念を再確認しながら進めている。

 

・また新校舎においても、理科実験専用の教室を複数(5つ)設置し、女子校としてはかなり充実した理科教育を推進できると考えている。

 

・他方で、本校が現在抱えている課題についても率直に認め、取り組んでいるところである。それはひとえに、入学時学力の低下が見られていた中学部を中心に、生徒たちの学力を向上させる点にある。現在、シラバスの生徒向け公開と中高一貫校としての再編成や独自教材の開発に取り組んでいる他、様々な施策で学力向上を図っている。

 

 (定期テストの成績不振者への強制補習、英数国主要3科における少人数制授業、習熟度別授業の導入

  学力向上月間の設置、7月の短縮授業の廃止、夏期講座期間を2週間に倍増、2学期開始授業の前倒し等)

 

 また、生徒アンケートより家庭での学習時間が少ないと判明したので、2005年度は中1で「学習ダイアリー」という、家庭学習記録を導入し、保護者とも協力して家庭学習のチェック体制を整えた。

 

 ⇒結果として、新中2については家庭学習量が増加し、成績不振者も減少した。今年度は、他の学年にもこの取り組みを広げる方針

 

・また、2006年度からは高2からの文系・理系コース選択に際し、難関国私立大志望者専用クラスを設置。高3では、理系用にクラスを1つ増設(計8⇒9クラスに)し、より細かな点まで指導の行き届くよう心がけている。

 

・これらの施策で、6年後にはMARCHG合格者180名、SKJ合格者80名、国公立大合格者50名を達成したい。

 

 

2.教頭先生より

 

 ・本校の特色として、国際教育の推進や日本文化教育の推進があげられる。北欧諸国や・タイ・中国などからの交換留学生を受け入れているほか、中国、ハワイ、ニュージーランドへの短期留学制度、夏期海外語学研修制度などを取り入れている。

 

 ・国際交流を進めるためには、自国の文化への理解を深める必要がある。中1で茶道・華道・筝曲の3分野の日本文化から1分野を選択必修として実習させている(希望者は中2以降の継続履修も可能)。

 

 

3.学力改革について ⇒(校長先生のお話と重複の部分が多いため割愛)

 

 

4.2006年度入試について

 

 ・主な出願パターンは第1回〜第3回を同時出願する第一志望型と、第2回・第3回を同時出願する併願校型。2006年度の出願パターンを見ると、難関校を第一志望とする受験生の併願校としての位置づけが高まっているのが分かる。

 

 ・複数回出願者に対しては、各教科の最もよかった点数をもとに合否判定を行う「良いとこ取り」判定を実施した。2007年度も同様の判定方針で臨む予定。2007年度入試は3回次とも4科入試のみを行う。

 

 

5.校内見学および感想

 

新校舎は広々としてゆとりを感じさせてくれるつくりになっており、生徒さんたちに好評なのもうなずけました。理科だけでなく、音楽や家庭科・美術などの教室も複数あり、ハード面の充実ぶりは素晴らしかったです。ただ、図書室の蔵書数は約7万冊、進学校化を進めるには、生徒さんたちの知的好奇心を引き出してくれる新書類の品揃えが手薄になっている印象でしたので、この点は今後の改善を終了時のアンケートで学校側にお伝えしました。

 

入学者学力の低下という課題に対し、危機感を持って様々な施策に取り組もうとしている姿勢は好感が持てました。ただし、すぐに大学入試実績となって表れるものではないので、伸び出すかどうかは3〜4年程度見守る必要があると思います。

 

最後に、今回、学校からのご好意で急遽この説明会に参加することができました。開業したての一個人塾の突然(開催2日前)の申し出に、いやな顔一つせずに取り計らって下さいました学校関係者の皆さまに深い感謝の念を申し上げ、この報告を終わりといたします。