2006年5月25日   獨協中学 塾対象学校説明会報告

青夢舎

 

1.笠井中学教頭先生より

 

 ・最近、有名受験評論家から「自由で気ままな学校」との紹介があったが、本校は「自由でリベラルな学校」

です。その意味するところは、教員と生徒の距離感が近く、また上級生と下級生とのあいだの垣根も低い、「教員・生徒が共に学ぶ学校」だということです。

  宿泊をともなう学校行事などは、手間はかかりますが、学年単位ではなくクラスごとに行うことで、生徒さんたちがより一体となって行事に打ち込めるよう取り組んでいます。

 

(「自由」を「放縦」ととらえるのではなく、「寛容さ」を養うことだととらえるのは大切なことだと思います。)

 

 ・現在、中高6年間を2年ごとに区切りながらカリキュラムを編成しています。最初の2年間では「実体験の回復」ということを念頭に置いた指導を行っています。中学入試までの猛勉強で、本校に入学してくる生徒さんは、理科にせよ社会にせよ素晴らしい量の知識を身につけている。その知識に体験をともなわせたいということです。

⇒以後の上級学年で具体性の領域から抽象性の領域へと昇華させていきます。

 

 ・この指導理念の一端が、数学科(幾何)のカリキュラムに表れています。本校の数学科は中学1年生から代数と幾何を並行履修しますが、幾何は空間図形の指導から始まります。

  ⇒(例)正四面体を組み立て、そのために展開図を作成する。⇒空間から平面への下降

 

(なお、代数についても単元ごとに内容を集約し、無駄を省いた独自教材で指導を行っているとのことです。)

 

 ・英語の指導は『PROGRESS 21』のBook1〜3までを、高1まで指導。単語量が膨大なので、学校独自に作成したデータベースに基づき、検定教科書の必須単語と、それ以外のプラスアルファの単語などをリスト化し、各単元ごとに生徒さんたちに配布しています。

 

 ・2006年度大学入試の実績は、国公立大20名、早慶上智30名、GMARCH60名。決して満足のいく数字ではありません。現在、通常の学年単位の補習の他、長期休暇中の講習なども取り入れ、「勉強面でも一皮向けた獨協」を目指して取り組んでいるところです。

 

 

2.入学試験について(渡辺高校教頭先生より)

 

・算数は、解答用紙余白の計算まで部分点の対象です。反対に、計算や途中式の無いものは採点対象外です。

 作図の問題で定規、コンパスを忘れてしまった受験生の方は、貸し出しますので遠慮なく申し出てください。

 

・社会では、漢字指定がされてない問題であっても、ひらがな解答や誤字は減点対象です。

 また、漢字指定問題で、同様な回答がなされた場合は採点対象外となります。

 

・理科では、分数のままの解答が減点対象になります。必ず小数に直して解答してください。

 

3.感想

 

中学3年生では、原稿用紙30枚以上の研究論文を1年かけて、各担当の先生と相談しながら執筆。自分の知的好奇心の対象に気付き、将来の進路選択への足がかりとなるような配慮もなされています。伝統校らしく、校風についてはっきり胸を張って説明するあたりは、さすがだと思いました。しかし、受験生の志望状況はどちらかというとじり貧の様子。。

ということで、現行の教育課程では、恐らく他校との差別化、、という点で自信がないのではないか、、そんな気配の見え隠れする説明会でした。とはいえ、カリキュラム面での成果が出てくるのはプログレスを導入した現高1生から。それまでに、より獨協らしい、校風・教育理念とマッチした進路指導、学習カリキュラムをさらにつめてもらいたいと思います。