2005年 三輪田学園中学説明会報告
1.校長挨拶に垣間見る学校理念
・公立校復権の動きが急だが、「私学らしい私学」、かつての公立校全盛期にも確固たる存在感を持っていた私学として存続、発展していきたい。
・基礎学力⇒総合学力へと一歩ずつ確かめながら段階的な学習を進めたい。
@中学校内容は先取りを行い、中3の1学期までには修了予定。
A反対に高校内容はじっくりと学習を進め、最終的には高3の1学期ないしは2学期に修了予定
B「中だるみ」への対応が不十分なため、進学実績としては「もう一歩」である
(上位生の進学先はMARCH学習院。中位生は女子大進学が主流)
・「徳才兼備の女性の育成」⇒総合的な人間教育を進める
@中学週2時間、高校週1時間の道徳教育⇒独自の「道徳大綱」に沿って展開。学校行事の運営や
人間について(≒平和教育)、自然について(≒環境教育)
(教頭より「大綱の運用は、毎年各学年会を通じて行う。この結果、教職員間の連携が密になり、生徒と教員のコミュニケーションが活発に行われるなどの効果もある」⇒「アットホームな学校」)
A中1国語読書、中3社会科読書、高1世界史読書(課外)、高2社会科読書(選択)
⇒年間6〜8冊の読んで書かせる指導
・「都心」校の利便性、「小規模」女子校のメリットを生かし「地味」で「堅実」な学校を目指していきたい
2.教頭より入試結果、新校舎建設について
・3回連続で受験した生徒の合格者はゼロ。(校長より「各回とも算数の出来が合否を分けている」)
・保護者同伴面接を実施⇒子どもたちの教育を、学校と保護者の両輪で行いたいため。
学校の教育方針を理解してもらえるかどうかのチェックの場と考えている。
入学後は保護者同士の連絡も活発になり、連帯感を感じてもらっている。
・2006年度から、募集定員を1日は減少。3日、5日を増加させる予定。1日入学者の下位層と、3日、5日入学者との学力格差が目立つため。
・2005年度から4カ年計画で、順次校舎の建て替えを実施。2007年度完成予定の新校舎には、各学年に5.5教室(1学年は4クラス)を確保。分割授業の実施がより容易になる予定。
・新校舎建設に伴う寄付の増額は行わない。従来通り、6年間の在学中1口10万円×2口を募る予定
3.再び校長より入試問題について
@国語・・・20問出題の漢字(特に同音異義語)と記述問題で差がついている。
A算数・・・一行問題は基本公式をどのように使うかがポイント。単純に当てはめられるわけではない。
計算問題は3題出題。応用問題はグラフや表を読み取れるようにすること。
B社会・・・設問数を減らし基礎力を重視しているが、都道府県名で差がついている。配点は歴史が最も高い。出題内容はプリント配布しているので、しっかり練習して欲しい。
C理科・・・4分野を満遍なく出題。分野をまたいだ総合問題も出題する
4.感想
伝統校としての「三輪田」色へのこだわりが、教員・保護者を通じて浸透している様子。学校独自の「道徳大綱」は単元・方法論等も細かく定められ、その内容が国語や社会の出題に反映されているのだと思いました。
反面、「三輪田」らしさを前面に押し出すあまり、新しいニーズにどう応えていけるのかが課題となっているようにも感じました(富士見・世田谷の2校と比較しての印象です)。