2005年 富士見中学説明会報告
1.進路実績
・高3生の95%が大学進学を希望。志望別では早慶上智や国公立、理系・女子大へ人気がシフト。
(早稲田志願者は昨年70人ほど増加。)
・現役進学率は77%。内訳としてMARCH、理科系大学および女子大が伸びてきている。
(早慶上智や国公立はここ数年横ばい。上位チャレンジ志向がMARCH実績を押し上げる構図か?)
・英数国のセンター試験の校内平均は、全国平均との格差を拡大してきている。
2.進路指導について
・将来の進路選択に向けて様々なプログラムを用意
A.同級生からの刺激・・・中1〜中3のグループワーク
(目的は学年を追うごとに、@仲間づくり→A自己理解→B数値化へとステップアップ)
B.先輩からの刺激・・・高3生からのアドバイス、大1OGからのアドバイス、社会人OGの講演会
C.社会人からの刺激・・・各種講演会、大学教官による模擬授業ウィーク(30〜40大学で実施)
・中1では、今年から宿泊オリエンテーションを実施。様々なグループワークを通じて、コミュニケーション力(話し合いの大切さ、言葉の大切さの理解)を高める狙い。
「いじめが起きる前に、子ども同士でコミュニケーションをとらせたい」と中1担任の先生。
⇒子どもたちにも好評。「来年もまたやりたい」「先生たちがこんなに準備してくれたのが良かった」
3.学習指導について
・習熟度別学習、補習や講習を実施。高校からの選択科目は増加
・現在力を入れているのは、調べ学習ノート(理科・社会)と発表授業(数学)。自分で調べて記述する力や、プレゼンテーション能力を高めていきたい。
4.入学試験について
・中学入試の第3回を4科受験に。今後、順次4科化を進め、2008年度入試では、完全4教科化する。
複数回受験の場合の優遇措置として、2回、補欠候補となった場合、正規合格とする。
・高校入試については従来通り(定員:推薦15名、一般15名)。併願確約は昨年から廃止している。
・高校の推薦入試の基準は以下の通り(A基準は全員合格、B基準は試験結果によって不合格あり)
A基準・・・中3の1学期または2学期9科評定40以上、
もしくはV模擬の3科または5科偏差値65以上(9月以降2回連続の平均)
B基準・・・中3の1学期または2学期9科評定36以上、
もしくはV模擬の3科または5科偏差値60以上(9月以降2回連続の平均)
5.感想
進路選択のために様々なプログラムを用意し、その一つひとつがきめ細やかに行なわれている。その分、真剣に向き合ってくれる教師たちに、子どもたちも向き合ってくれて、結果、彼女らのチャレンジ意欲を引き出してきている、そのような学校像を感じ、好感が持てた。
反面、子どもたちの意欲の向上に応えるだけの、指導体制は整備し切れていないように思う。センター試験の結果上昇は、MARCHレベルの進学実績拡大に対応していると考えられる。が、最難関国私立は志願者増に反して実績はまだ横ばいである。この点に注目しながらこの学校を見ていきたい。